部会長:大政 謙次
副部会長:清水 庸・星 岳彦
今年は、1992年のブラジルのリオデジャネイロでの地球サミット「国連環境開発会議」から10年が経過して、新たな地球サミット「持続可能な開発に関する世界サミット」が南アフリカのヨハネスブルグで開催され、地球環境問題の重要性が益々認識されるようになってきました。このような状況において、わが国の農業を取り巻く問題も温暖化などの地球環境問題を抜きにしては対処できなくなってきています。また、地球環境問題と重複するところはありますが、畜産廃棄物や農薬・肥料の使用による環境汚染や水域の富栄養化など、従来型の環境問題も依然として重要な問題として残っています。最近話題になっている狂牛病の問題も、見方をかえれば、畜産廃棄物の無秩序な再利用の結果といえます。残留農薬などの食品の安全性問題も、生産現場での有害農薬の大量使用など、環境問題と表裏一体の問題といえます。最近では、遺伝子組替え植物の環境に与える影響や安全性の問題もクローズアップされています。さらに、少子化に伴う就労人口の減少も、農山村地域における農耕地や森林の荒廃の原因になっており、環境問題の視点からの対策が求められています。このような多様な問題の解決には、遺伝子レベルから、農山村漁村、そして、これらを取り巻く生態系環境まで、幅広い分野での対応が求められます。そこで、環境情報部会では、「農山漁村、農林水産基盤、生産に関わる環境問題の情報科学的解析」に焦点をあて、生物環境情報、リモートセンシング、GIS・空間情報解析、農山漁村・農林水産分野のユビキタスネットワークなどを対象とした研究部会活動を行っていきたいと考えています。
具体的に対象とする課題としては、下記のような研究があげられます。
なお、環境情報部会の活動は、他の部会と関連する課題も多く、幅広い問題を扱っていきますので、部会間の枠を越えた人の集まりになっていくことを望んでいます。
●バイオ・エコセンシング(画像センシングを含む)
●遺伝子発現や植物・生態系などの環境応答解析
●ファイトバイオロジカルIT
●ファイト・エコインフォマティクス
●気象環境情報
●生産・環境情報
●汚染・有害物質情報
●地域環境・生活環境情報
●景観シミュレーション
●生物地球環境シミュレーション
●環境モニタリング
●各種モデリング
●環境を対象としたプレシジョン・アグリカルチャー
●農山漁村・農林水産分野のユビキタスネットワーク

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